初めてのオーバーホールどうすればいいのか?
高級時計って何かきっかけがないと、購入したり、贈り物としてもらう事は基本的にはないと思います。しかし購入した時点では当然ながら新品です。となるとメンテナンスやらオーバーホールのタイミングについてもわからない人が大半です。
手元にきてからオーバーホールまでについては、取扱説明書などには何年に一度はオーバーホールをしましょうと書いてあり、使用状況ではタイミングが異なってきます。一般的には、機械式時計であれば3~5年に1度を出すのが良いとされています。
購入後、使用せずに時計収納ボックスなどに入れたままの場合、オーバーホールのタイミングに注意しましょう。機械式時計の内部にはパーツが摩擦を起こさないように潤滑油が塗られていて、長期間の放置をすると潤滑油が劣化して凝固する可能性があり、長時間放置(半年以上)している場合、使用前に時計修理店などでオーバーホールを出す事をおすすめします。
確かな技術をリーズナブルに
オメガの代表的モデルであるスピードマスター、シーマスターのメンテナンス及びオーバーホールは、当工房で最も依頼件数が多いです。ゼウスでは、自社工房でお客様の時計を一点一点丁寧に修理を施し、大変品質の高い修理サービスを提供しております。もちろん外装磨き仕上げも大変好評です。
また、国内では、現在純正部品の供給(メーカーを除く)が、止まっておりますが、ゼウスでは、主にヨーロッパの時計パーツ店と提携することで現行品、アンティーク品共にほぼ入手可能となっております。スイス製の精度の良いジェネリックパーツも取り扱かっておりますのでお客様のご予算に合わせて柔軟にご対応可能です。
メーカーよりもリーズナブルな料金設定になっておりますので是非お気軽にお電話、LINE、メールにてご相談、ご依頼ください。
オーバーホール≠修理
“オーバーホール”と言っても、どんな作業工程を経てユーザー様の手元に帰ってくるのか、気になる方もいれば気にならない方もいます。
・トラブルが起きたからオーバーホールをしたい
・数年使ったのでメンテナンスの一環としてオーバーホールがしたい
・定期的にオーバーホールをしているから
理由はそれぞれですが、オメガの時計をパーツ単位まで分解し、洗浄し、再組立てを行い、新品同様の性能状態に戻す作業が”オーバーホール”であります。セルフクリーニングでは難しいムーブメントの洗浄や劣化パーツの交換、輪列の調整などが主な目的になります。
パーツ単位で分解して作業をする必要があるため、完了するまでに当然時間がかかる上に費用も数千円で出来るわけではないです。時計と車は定期的にメンテナンスが必要ですが、大きな違いは定期的なオーバーホールが義務付けされているわけではない事です。
本来ならトラブルがあっても無くても、精巧な時計ほど定期的にオーバーホールする必要がありますし、愛用している時計だからこそオーバーホールをしていただきたいと考えております。
実際は、トラブルが起きてから実施する方が多く、腕時計のオーバーホールをメンテナンスとしてではなく
オーバーホール=修理
として考える人が多いのです。しかし定期的なオーバーホールこそ、愛用する時計と末永く付き合っていくために必要不可欠の作業なのです。
”オーバーホール”の費用=高額と考える人がいるのが大半ですが、そんな人にこそオーバーホールとは一体何か、どんな事をするのか、どのような作業があるのかを知ってほしいとゼウスは考えています。そんなオーバーホールの工程のフローチャートとともにオーバーホールがいかに手間と繊細な作業なのかも知っていただけたらなと思います。
オメガに限らずとも、時計は精密機械であり、購入後の付き合い方が非常に重要です。トラブルを未然に防ぐためにも数年愛用しているのであればオーバーホールを依頼するのが良いと考えております。
オメガの時計は定期的なオーバーホールが不可欠です。
必ずと言っていいほどオメガの時計は機能部分、精度の観点から見ても定期的なオーバーホールを必要としています。
なぜオーバーホールが重要なのか
オーバーホールといってもいろんな工程があり、作業があります。
オーバーホールについて解説していきます。
時計に限らず、長期的に使用するためには、定期的な点検、メンテナンスが重要です。 車であったり、人間の体であったり、何事もケアが重要なのです。
時計は大量の部品から組み立てられていますので、時計部品同士が噛み合うように、削られたりしないように、摩耗を減らす事で綺麗に稼働するために潤滑油が塗られています。
潤滑油は3~4年で酸化しますし、劣化してきます。潤滑油としての性能が落ちてきますので、時計部品の金属が噛み合うとどうしても金属のカスや汚れなどが出てきてしまうのです。
何が問題点かと言いますと、潤滑油が劣化した状態や金属カスが発生している状態で使用を続けるとムーブメントに大きな負荷がかかってしまい、時計部品の摩耗や消耗といった大きなトラブルに見舞われます。 オーバーホールをする事でこのトラブルを回避する事が修理をしなくて済む秘訣なのです。
オーバーホールはまず時計を分解し、部品に付着している金属カスや潤滑油を洗浄します。
そしてすべての部品の摩耗や損傷具合を1点1点行い、交換が必要な部品をチェックし、必要であれば交換します。潤滑油も再度新しく注油し、機能チェックをして精度確認を致しております。時計を長期的に使用するには、オーバーホールを修理としてではなく、必要不可欠なメンテナンスとして捉えていただくのが重要です。
このようなお客様におすすめ
- オメガに見積もりを依頼したら、高額すぎて修理できなかった。
- 近所に時計修理店がなく、どこに依頼すればいいか困っている。
- 大切な時計なので、親切丁寧に対応してくれる店を探している。
- メンテナンス後、1年保証後もしっかりアフターフォローしてもらいたい。
- 自分の予算や希望に合わせて柔軟に対応してほしい。
- 他店では修理出来ず断られたが、諦めきれない。
- しっかりオーバーホールしてくれて、メーカーより納期が早いと助かる。
オメガ オーバーホール事例のご紹介
下記の内容は、偽りなく実際に良くあるご依頼の修理事例に基づいて記載しております。修理・オーバーホールご依頼前のご参考になればと思います。
オメガスピードマスター 自動巻き
ご依頼内容
- オーバーホール
- 動かない
不具合内容
- 内部潤滑油劣化
- ゼンマイ切れ
料金
- オーバーホール基本料金
- 30,000
- ゼンマイ
- バネ棒
- プラスティック風防磨き
- 合計
- 35,000
技術者コメント
最も依頼数の多い代表的なスピードマスター3510.50自動巻きのメンテナンスなります。ゼンマイが切れておりて全く動かない状態でした。酷く磨耗しているパーツもなく、オーバーホールとケースとバンドを繋げるバネ棒交換のみでメンテナンス完了致しました。プラスティック風防(ガラス)は、サービスで磨いてあります。
オメガシーマスター300M 自動巻き
ご依頼内容
- オーバーホール
- 自動巻き不良
- 時間が遅れる
不具合内容
- 内部潤滑油劣化
- 切替車軸磨耗
- 4番車軸磨耗
料金
- オーバーホール基本料金
- 22,000
- 切替車
- 4番車
- 裏蓋パッキン
- 合計
- 31,500
技術者コメント
シーマスター2253.80自動巻きモデルのメンテナンスなります。青ベゼルモデル2531.80と同様に依頼が、良くあります。内部の汚れが酷く歯車の動作抵抗がかなり上がっておりそれが原因で大分時間が遅れてしまう状態でした。また、秒針が付く4番車の汚れと磨耗が酷く、自動巻き上げに関連する切替車も磨耗しておりましたので交換いたしました。裏蓋パッキンも大分潰れ気味でしたので防水を通すために交換してあります。
オメガスピードマスター 手巻き
ご依頼内容
- オーバーホール
- 巻き止まりがない
- 動かない
不具合内容
- 内部潤滑油劣化
- ゼンマイ切れ
料金
- オーバーホール基本料金
- 30,000
- ゼンマイ
- 裏蓋パッキン
- プラスティック風防磨き
- 合計
- 36,000
技術者コメント
こちらも依頼数が、かなり多いスピードマスタープロフェッショナル3570.50手巻きのメンテナンスになります。10年程ご使用でしたので、ゼンマイの金属疲労で大分弱っており簡単に巻き切ってしまったようです。プラスティック風防も大分キズが多かったですが、ヒビや割れなどなくサービスで綺麗に磨かせて頂きました。精度もバッチリ出ております。
オメガスピードマスター・トリプルカレンダー・自動巻き
ご依頼内容
- オーバーホール
- 外装磨き仕上げ
不具合内容
- 内部潤滑油劣化
- 使用傷大
- 切替車軸磨耗
料金
- オーバーホール基本料金
- 30,000
- 外装磨き仕上げ
- 15,000
- 切替車
- 裏蓋パッキン
- 合計
- 50,000
技術者コメント
ビジネスマン等に人気のスピードマスター3221.30トリプルカレンダーモデルのメンテナンスになります。このモデルに使用しているムーブメントは、切替車と言う歯車が良く磨耗しやすく今後不具合が起きそうでしたので交換いたしました。裏蓋パッキンも念のため交換してあります。ケースやバンドのキズもかなり有りましたので外装磨き仕上げをさせていただきました。新品のような輝きが戻りお客様も大変喜んでおりました。
オメガスピードマスター・カレンダーモデル・自動巻き
ご依頼内容
- オーバーホール
- カレンダー送らない
- プッシュ外れ
不具合内容
- 内部潤滑油劣化
- カレンダー送り車破損
- スタートプッシュ欠損
料金
- オーバーホール基本料金
- 30,000
- カレンダー送り歯車
- プッシュボタン
- バネ棒
- 合計
- 41,000
技術者コメント
スピードマスター3513.50カレンダーモデルのメンテナンスになります。カレンダー送り禁止時間帯に無理やり送ろうとしてカレンダー歯車が破損しておりました。また、スタートプッシュが無くなっており、オメガ純正のプッシュボタンを取り付けました。ムーブメントの油もかなり劣化しておりましたが、オーバーホールをして新品状態に近い精度まで出るようになりました。バネ棒も変形しており時計落下の原因になるため交換して致しました。
オメガシーマスター・クオーツ
ご依頼内容
- オーバーホール
- 電池交換しても動かない
不具合内容
- 内部潤滑油劣化
- 消費電流大
料金
- オーバーホール基本料金
- 18,000
- 裏蓋パッキン
- リューズパッキン
- バネ棒
- 電池交換
- 合計
- 21,500
技術者コメント
シーマスター2561.80クオーツモデルのメンテナンスになります。1年前に電池交換後、新しい電池に交換しても全く動かない状態でした。内部潤滑油劣化と消費電流が非常に上がっているのが原因でした。機械式モデルようにパーツは多くないですが内部に歯車が入っておりますので汚れや油劣化で動かなくなるので定期的なメンテナンスが必要となります。オーバーホールとバネ棒交換で正常に動くようになりました。